9. 野外調査のためのQGIS環境の準備
野外調査にはQGISがインストールされたノートPCを持っていき、調査を行ったら観測結果をその日のうちにQGISに入力しておきます。 フィールド調査の計画を立てたら、その調査結果をすぐにまとめられるようにするため、QGISの環境を準備しておきましょう。
(この準備はインターネットに接続された環境で行ってください)
1. プロジェクトファイルを作成する
調査をまとめるためのプロジェクトファイルを作成します。
QGISでは、プロジェクトファイル名や保存するフォルダ名は日本語などの全角を含む名称を使用すると正常に動作しないことがあります。
フォルダ名やファイル名や半角英数を使用するようにしてください。
2. 調査地域の地図データの入手とセットアップを行う
まず、調査地域の野外で持ち歩く地形図と同縮尺の地図を準備します。
できればデジタルデータ(GeoTiffファイル形式など)の地図が用意できればよいですが、入手できない場合は、野外に持っていく地形図をスキャンして画像データとして保存します。
- 2万5千分の1地形図の電子画像データ(電子地形図25000)は(財)日本地図センターのサイトからダウンロード購入することができます。
この地図のデジタイズを行いGeoTiffファイルを作成し、QGISのプロジェクトに取り込み地図表示させます。
調査地域の背景地図としてプロジェクト作成時にデフォルトで表示される「地理院タイル」を利用することもできますが、インターネットに接続された環境でないと利用できません。
調査地域のモバイル環境が良好であるとは限りませんので、上記のように調査地域の地形図のGeoTiffファイルとしてあらかじめ準備しておくことをお勧めします。
次に、調査結果を記録する「地質図」レイヤーを作成します。
これでQGISの準備はできました。
3.記録機器を準備する
調査では、GPSやスマホの携帯地図と併用する場合がありますが、現時点ではこれらで収集したデータをQGISに取り込むには、データの加工が必要です。 デジタル測定機器を使用する場合でも、必ずフィールドノートや紙の地形図などで記録できるような準備をしておきましょう。
GSJ提供の「GeoClino for iPhone」で収集したデータをQGISに取り込む機能を「地学ライブラリツール」プラグインで提供しています。
ただし、現バージョンでは、取り込むことができるのは、測定した位置座標と走向・傾斜のみです。
【演習1】QGISで調査結果をまとめるためのプロジェクト環境を作成する
上記の手順に従い、調査予定地域のプロジェクトファイルを作成しましょう。